Gibbs 自由エネルギー、発エルゴン反応、吸エルゴン反応

UBC/biochem_basic/gibbs_energy

このページの最終更新日: 2024/12/15

  1. 概要: ギブス自由エネルギーとは
  2. 発エルゴン反応
  3. 吸エルゴン反応

広告

概要: ギブス自由エネルギーとは

ギブス自由エネルギーとは、等温等圧 の条件下で、非膨張の仕事として取り出し可能なエネルギーを示す状態量である。単に Gibbs energy と呼ぶこともあり、本サイトではこの用語を使う。通常は G で表される。

等温・等圧の条件下では、Gibbs energy は減少しようとする。これは、以下の 3 つの記述と同じことを意味している。

  1. Gibbs energy が減少する反応 (発エルゴン反応) は自発的に起こる。
  2. Gibbs energy が増加する反応 (吸エルゴン反応) は自発的には起こらず、外部からのエネルギーが必要になる。
  3. Gibbs energy が極小値をとることは、その系が平衡状態にあることに等しい。

中学・高校では発熱反応・吸熱反応という言葉を習うはずである。考え方としてはこれに非常に近いが、放出されるエネルギーが熱だけではない (化学エネルギーの場合が多い) ため、Gibbs energy という上位の概念を導入する必要が出てくるわけである。

以下の発エルゴン反応・吸エルゴン反応の項目を、発熱・吸熱反応と対応させながら読む方が理解しやすいだろう。


広告

発エルゴン反応

Gibbs energy が減少するような反応を、発エルゴン反応 exergonic reaction という (図; ref 2)。

図の 1 は活性化エネルギー activation energy、2 が実質の Gibbs energy の減少分である。活性化エネルギーは、酵素 などの触媒 catalyst を用いることで下げることができる。


発エルゴン反応の模式図

吸エルゴン反応

Gibbs energy が最終的に増えるような反応を、吸エルゴン反応 endergonic reaction という (図, ref 3)。同様に、1 が活性化エネルギー、2 が最終的なエネルギーの増加分である。


吸エルゴン反応の模式図
広告

References

  1. Amazon link: 小宮山、長棟 1997a (Book). 生命化学概論 (基礎化学コース). 丸善株式会社.
  2. By Provenzano15 - Own work, CC BY-SA 3.0, Link
  3. By Provenzano15 - Own work, CC BY-SA 3.0, Link

コメント欄

サーバー移転のため、コメント欄は一時閉鎖中です。サイドバーから「管理人への質問」へどうぞ。