共有結合

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8-21-2017 updated

  1. 概要: 共有結合とは
  2. 共鳴 resonance について

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概要: 共有結合とは

共有結合 covalent bond とは、電子対が 2 つの原子 atom に共有されて形成する化学結合 のことである (1)。英語の発音は [kəveilənt] で「ヴェイ」となるので注意しよう。


共有結合と配位結合の違い

両者とも電子対を 2 つの原子が共有しているが、共有に至るまでの過程が異なる。2 つの原子が電子を出し合っている場合には共有結合と呼ばれるが、一方の原子のみが電子対を出している場合には 配位結合 coordinate bond という。

  • A · + B · → A : B これは共有結合
  • A: + B → A : B これは配位結合

いったん結合が形成されてしまうと、共有結合と配位結合は構造上区別がつかない。

共鳴 Resonance

共有結合に関して重要な概念の一つが 共鳴 resonance である。



共鳴構造が存在する証拠は、分子の観測から得ることができる。

図 (3) のアデニン adenine の構造を参考に考えてみる (2)。炭素 C は省略されて書かれていないが、単結合 single bond と二重結合 double bond が環状構造を作っている。


2 つの環が接している部分には C=C の二重結合があるように書かれている。これが二重結合なら炭素原子間の距離は 1.34 オングストロームだが、実際には単結合における距離 1.54 オングストロームとのちょうど中間にあたる 1.40 オングストロームである (2)。これは、共鳴構造が存在する観測できる証拠である。



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References

  1. 岩波 理化学辞典 第4版.
  2. Berg et al. 2006a. (Book). Biochemistry, 6th edition.

Berg, Tymoczko, Stryer の編集による生化学の教科書。 巻末の index 以外で約 1000 ページ。

正統派の教科書という感じで、基礎的な知識がややトップダウン的に網羅されている。その反面、個々の現象や分子に対して生理的な意義があまり述べられておらず、構造に偏っていて化学的要素が強い。この点、イラストレイテッド ハーパー・生化学 30版 の方が生物学寄りな印象がある。

英語圏ならば学部教育向けにはややレベルが高い印象。しかし、基本を外さずに専門分野以外のことを 研究レベルで 英語で読みたいという日本人には非常に適しているだろう。輪読とかにも向いているかもしれない。翻訳版はストライヤー生化学として売られている。


  1. By Pepemonbu - Made with BkChem and Inkscape., CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5581319
  2. CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=714738.