NMR によるクレアチンの検出
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このページの最終更新日: 2024/12/15- 1H-NMR による検出
- 脳でのクレアチンの機能
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1H NMR による検出
クレアチン (creatine 1-メチルグアニジノ酢酸) は、生体内で ATP と結合して 4-ホスホクレアチン 4-phosphocreatine となることで、ATP を貯蔵する役割をもつ分子で、筋肉や 脳 に分布する。
クレアチンは 4 種類の等価でないプロトンを含んでいる。リン酸化クレアチンおよびクレアチンの CH3 のメチルプロトン methyl proton は 3.03 ppm に、2CH2 のメチレンプロトン methylene proton は 3.91 ppm に明瞭なシングルピークを与える (後者は、文献 2 では 3.93 ppm と書かれている)。
Group | Shift in H2O (ppm) | Shift in D2O (ppm) | Multiplicity | J (Hz) | Ref |
N(CH3) | 3.0270 | 3.0260 | Singlet | None | 1 |
2CH2 | 3.9130 | 3.9110 | Singlet | None | 1 |
NH | 6.6490 | Singlet | None | 1 |
下の図は、ラット rat の脳抽出物の 1H-NMR spectrum (全体像) である。toral Creatine (tCr) のピークをはっきりと見ることができる。
メチルプロトン CH3 のケミカルシフトは、creatine 3.027 ppm, phosphocreatine 3.029 ppm であり、事実上分離することは難しい (2)。
NMR のコンディションが良いと、クレアチンとリン酸化クレアチンが区別できるようになり、ピークにこのように肩ができる。
脳でのクレアチンの機能
他の組織と同様に、クレアチンキナーゼ creatine kinase によるリン酸化を通じて energy buffer として働いていると考えられている (2)。
> ヒトの脳での濃度は、phosphocreatine 4.0 - 5.5 mM, Cre 4.5 - 6.0 mM (2)。
- Gray matter 6.4 - 9.7 mM, white matter 5.2 - 5.7 mM で、灰白質の方が濃度が高い.
: 年齢、病気などによる変動が少ないが、慢性的な病気では低下することがあり、使用には注意が必要。
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References
Govindaraju et al. 2000a. Proton NMR chemical shifts and coupling constants for brain metabolites. NMR Biomed 13, 129-153.de Graaf 2007a (Book). In vivo NMR spectroscopy 2nd ed., John Wiley & Sons, Ltd. → 参考書のページ も。