フッ素: 生物学的な特徴

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このページの最終更新日: 2024/12/15

  1. 概要: フッ素とは
    • 基本的性質
  2. フッ素の生物学的重要性
    • 虫歯予防と歯磨き粉への添加

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概要: フッ素とは

フッ素 fluoride は、原子番号 9 の元素である。記号は F で、ハロゲンに属する。フッ素分子 F2 もフッ素と呼ばれる。

反応性が高い元素であり、自然界では単体の結晶として存在しないと考えられてきたが、2012 年に鉱物アントゾナイトにフッ素分子が含まれることが報告された。

写真は蛍石 fluorite (2)。組成は CaF2 で、これに硫酸を加えるとフッ化水素が発生することは古くから知られていた。1711 年にカール・シェーレが発見していたとされる。この fluorite がフッ素 fluoride の語源であるが、フッ素は反応性が高いために単離は困難であった。1906 年のノーベル賞化学賞は、フッ素の単離とその利用に対して Henri Moissan (モアッサン)に授与されている。

蛍石
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基本的性質

原子番号

9

原子量

18.998403163

融点

-219.62 °C

電子配置

1s2 2s2 2p5


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フッ素の生物学的重要性

フッ素大量摂取後の初期症状は、激しい胃痛、吐血、下痢など。胃酸で生成される腐食性フッ化水素が原因と考えられている (3)。

虫歯予防と水道水・歯磨き粉への添加

アメリカでは、住民の約 66% がフッ化物を添加された上水道を利用している。フッ化物添加とは、具体的には「ヘキサフルオロ珪酸ナトリウム等を 0.7 - 1.2 ppm で添加」のことで、リン鉱石から精製しているために複数のフッ化物が混ざっているようだ。

日常的に摂取するフッ素は、吸収され体内に蓄積される。血清中に 5 - 10 µM 程度、カルシウムやマグネシウムに結合したり、赤血球のエノラーゼを阻害したりする。

マウス を用いた毒性試験では、高用量区 10 - 11 mg/day で生存率が 75 週程度から低下している (3)。ヒトのフッ素吸収量上限が 3 mg/day 程度であることを考えると、その 3 倍程度で有意な影響がみられるということであり、あまり安心できる量ではない。このページでは、フッ素の毒性なのかフッ化物の毒性なのか、はっきりと書かれていない部分がある。いずれチェックして更新する。


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References

  1. Amazon link: 岩波 理化学辞典 第5版: 使っているのは 4 版ですが 5 版を紹介しています。
  2. By Rob Lavinsky, iRocks.com – CC-BY-SA-3.0, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=10170686
  3. 水道水へのフッ素添加は危険性の方が大きい. TIP「正しい治療と薬の情報」2002年8/9月合併号.

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