COVID-19: 2019 新型コロナウイルスに関するメモ

UBC/organism/Nidovirales/sars_cov_2

このページの最終更新日: 2021/01/17

  1. 概要: このページについて
  2. リスクファクター
  3. マスクの効果
  4. インフルエンザとの比較
  5. 無症状者からの感染
    • Index case とは
    • 無症状者からの感染に関する論文
  6. PCR 検査の意義

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概要: このページについて

このページは、2019 年からパンデミックを引き起こしたいわゆる「コロナウイルス」、正式名称 SARS-Cov-2 に関するページである。自分が気になった点をメモしていっているだけなので、情報は網羅的ではない。性質としては 福島で甲状腺がんは増えているのか のページに近い。

情報収集の意味も込めて公開するので、追加情報、ご意見などあればお知らせ下さい。

とりあえず概要的な点のメモ。

  • 正式なウイルス名は SARS-CoV-2 で、病気の名前が COVID-19。ウイルスは生物とみなされないことが多いが、生物の分類 と似たようなルールにしたがって分類されている。PubMed Taxonomy による分類 では、Viruses が superkingdom という扱いになっている。

リスクファクター

> 死亡率、死亡数などを応答変数とした回帰の研究は多い。

  • Number of days between the first case and lock down, the number of cases at lockdown, life expectancy at birth, average annual temperature and the socio-economic level. BCG ワクチンを接種していない国では、そうでない国に比べ死亡率が高い。 (ref).
  • Lower temperature, lower humidity, higher altitude, higher percentage of urban population, increased air travelers, and higher prevalence of obesity were strong independent predictors (ref).

その他、肥満加齢糖尿病 などがリスクファクターとして挙げられている。


マスクの効果

  • COVID に対する政府の施策の有効性をランキングした論文 (Haug et al. Nat Hum Behav 2020)。"Wearing a mask’ exhibits a significant impact on Rt in three methods )ΔRt between −0.018 and –0.12)" と書かれている。
  • Physical distancing, face masks, eye protection の効果に関するシステマティック・レビュー (Chu et al. Lancet 395, 1973-1987, 2020)。1 m 以上の距離、マスクなどに効果を認め、randomized trial が将来的に必要であるものの、現状ではこれがベストの evidence としている。
  • Randomized control trial: The recommendation to wear surgical masks to supplement other public health measures did not reduce the SARS-CoV-2 infection rate among wearers by more than 50% in a community with modest infection rates, some degree of social distancing, and uncommon general mask use. The data were compatible with lesser degrees of self-protection (PubMed). マスクの推奨は、マスクをしている人の感染率を下げないという論文。自分を守るよりも、自分からの感染を防ぐということなのか?

なお、N95 マスク (写真, ref 1) とは、アメリカ合衆国労働安全衛生研究所の N95 規格をクリアし、認可された微粒子用マスクのこと。もともとは建設現場などで使用されていたが、SARS などの感染防止に効果をあげたことから、COVID-19 に対しても用いられた。


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インフルエンザとの比較

「コロナはインフルエンザに比べて大したことない」という論説はよく見るが、それに関する考察。

  • 多くは 2019 年以前のインフルエンザの年間死者数と、これまでの COVID の死者数を比べているが、対策の違いがあるのでこれは良い比較ではない。例えば、2018 年のインフルエンザによる死者は、日本で 3325 人、アメリカは 1 万人くらい (2)。COVID に比べて非常に多いが、去年までは social distande もロックダウンもなかったし、マスクをしている人も少数だった。つまり対策付き COVID vs. 対策ほとんどなしインフルの比較になってしまっている。これは 2020 年のインフル vs. 2020 年の COVID にしなければならず、この場合インフルエンザによる死者数は非常に少ないはず。

なお、上記の死亡者数には 2 種類の概念があるようだ (2)。

COVID やインフルエンザが直接原因となる死亡と、感染によって他の疾患が悪化したことによる死亡。日本でのインフルの死者 3225 人は前者。両者を合わせた死亡を 超過死亡概念 といい、日本のインフルでは年間 1 万人程度になる (2)。


無症状者からの感染

無症状者からの感染は、マスク着用やロックダウンの根拠となっている。2020 年 12 月 29 日現在、CDC は無症状者からの感染が 50% 以上という立場をとっているが、「全くない」という論文もあり、物議を醸している。

このトピックで気を付けたいのは、asymptomatic と presymptomatic は異なるが、事実上区別できない ことである。asymptomatic は「無症状」で、症状が出ないまま感染、回復するケース。presymptomatic は「発症前」で、やがて症状が出るが、その前の期間ということ。

これらを区別できない以上、無症状者からの感染がないことを根拠にロックダウンやマスクを攻撃するのは (ツイッターで多数ある意見だが)、論理的に厳しいように思える。

結局はウイルス量の問題であるような気もする。それを PCR や感染力などで区分けしているが、ウイルス量は連続量なので、そうはっきりと区分けできるものでもない。Ct 値のセットや感染からの日数によって「微妙」な領域はどうしても生じるので、そこを突き詰めて議論するのはあまり生産的ではなく、ざっくりと安全側に振った対策を取るべきということではないかと思う。


Index patient とは

英語の index patient は index case と同じ意味で、 集団内で最初の感染者 のことをいう。Patient zero, case zero, primary case などとも呼ばれる。日本語では「初発患者」「初発症例」「発端症例」などと呼ばれる。

図は AIDS の感染拡大を示した図 (3)。この論文自体は誤りとされているらしいが、index case の意味がわかりやすいと思ったので記載した。番号ゼロが index case であり、そこから アメリカ の各都市へ感染が拡大していった様子が見て取れる。


無症状者からの感染に関する論文

  • アメリカ海兵隊員 1848 人を追跡調査した 論文。3 人の index patients はいずれも無症状で、無症状者からの感染を支持すると書かれている。"None of the three potential index patients reported symp- toms, which is consistent with asymptomatic transmission."
  • CDC 2020/11/20 の勧告では、この論文 を引用しつつ、マスク着用の根拠として「asymptomatic および presymptomatic からの感染は、50% にも達する可能性がある」としている。論文には "We found that the majority of incidences may be attributable to silent transmission from a combination of the presymptomatic stage and asymptomatic infections" という記載がある。
  • 家庭内での感染に関する 論文。Symptomatic の方が asymptomatic よりもかなり多いとしている。約 18% vs. 0.7%。システマティック・レビュー 54 studies with 77 758 participants. ただし、この ニュース記事 にもあるように、これは家庭における拡散 household spread に関する論文なので、この数字を以て社会での拡散 community spread について議論するのは良くないだろう。
  • 厳しい管理下にある武漢の 2020/5-6 月のスクリーニングに関する 論文。人口の 90% 以上、約一千万人が参加。新しい symptomatic の感染者はゼロ、asymptomatic が約 300 人で、彼らと濃厚接触した 1174 人は感染していなかった。"There were no positive tests amongst 1,174 close contacts of asymptomatic cases." つまり、無症状者からの感染は確認されなかった。無症状者からはウイルスの培養もできなかったということなので、要はウイルス量の問題。

PCR 検査の意義

多数のトンデモがいるので、とりあえず ここにリンク を張っておこう。


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References

  1. By Banej - Own work, CC BY-SA 3.0, Link
  2. インフルエンザによる年間死者数はどれくらい?コロナとの致死率の違いは?医師が解説します。 Link: Last access 2020/12/24.
  3. Niamh O'C - Created in InkscapePreviously published: None, CC0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=48731952による

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