生物お勧め参考書: 実験とコンピューターの本

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このページの最終更新日: 2024/02/14

  1. 実験一般
  2. NMR、MRI の本
  3. コンピューターの本

一般的な教科書などをレビューした 生物おすすめ参考書: 日本語 も参考にして下さい。

実験一般

改訂 バイオ試薬調製ポケットマニュアル

一般的なバイオ実験に使われる試薬の作り方がまとまっているハンドブック。一冊手元にあると便利。サイズも実験の邪魔にならずお手頃。

2003 年にオリジナル版、2014 年に改訂版が出た。I 部は溶液・試薬データ編、II 部は基本操作編になっており、ピペット操作など実験の基本がイラスト付きで説明されている。研究室に入って 1-2 年目はとくに重宝するが、末永く使うことができるだろう。このページ に見開きサンプルあり 。

イラストでみる超基本バイオ実験ノート

バイオ実験の入門書としては、バイオ実験イラストレイテッド が有名だが、個人的にはこっちの方が役に立っている。イラストが少なめで、情報量が多い。何より 1995 年のイラストレイテッドに比べて新しい (といっても 2005 年の本)。

各種バッファーの作り方も載っており、ずっと手元に置いておける入門書である。シリーズで タンパク質実験ノート遺伝子工学実験ノート もお勧め。

Molecular cloning: A Laboratory Manual

分子生物学関係のプロトコール集では、この本よりも有名なものはないだろう。

日本語版がない、電子書籍版もない、値段が高い、重い (3 冊組でとどく) など問題点は多々あるが、それでも実験室に必ずあるべき書。ラボプロトコールをまとめたりする時間を大いに節約することができる。

このサイトにあるプロトコールも、多くはこの本の記述を参考にしたものである。

英語の本ですが、あまりに定番なのでここにも記載しました。


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NMR, MRI, MATLAB の本

心から納得・理解できる MRI 原理と MRS

イラストを多用した、わかりやすい MRI と MRS の本。基本的に見開きの左が文章、右がイラストという構成。

MRS および MRS で検出できる代謝産物について詳しく解説している本は、日本語では少なく貴重である。NAA や クレアチンといった代謝産物の機能と測定法の概要が書かれている。

もう一つの特徴は、MRI 原理の説明に回転座標系が使われていないこと。そのため、他の教科書とはちょっと異なる説明の仕方になっている。MRI の原理を理解するのは難しいので、色々な方向から眺めてみるという点でもお勧めの一冊である。私が T1, T2 relaxation を理解できたのはこの本のおかげ。

化学・生化学・薬学・医学のためのやさしい最新の NMR 入門

NMR の原理に関する歴史と実績のある教科書。

MRI に関する言及はない。原子核の磁気共鳴から始まり、H, C, F, P などのメジャーなものだけでなく、アルミニウム、珪素、セレンなどについてもスペクトルについて章をとって述べているほか、固体 NMR や二次元 NMR なども触れられている。

NMR の原理について勉強する際に、必読の古典と言える。

NMR イメージング

MRI の歴史と原理についての本。

第 2 章で核スピンやケミカルシフトなど NMR の基本事項について解説し、その後 MRI の解説に入っている。原理を勉強する上での最初の一冊として適している。大学理工系学部 3 年生程度の学力を想定しているが、物理や化学の基礎的知識は必要であり、純粋な生物系の人にはやや難しいと思われる。

MRI 装置の構成や、パルスシークエンスについても章をとって説明しているのも特徴である。

コンピューターの本

最新 MATLAB ハンドブック 第 5 版

理工系の卒論生、大学院生を対象にした MATLAB の本。

第 1 章は基本的な使い方、第 2 章は図の作り方で、どちらも実際のスクリプトの例がたくさん載っていてわかりやすい。後半はやや専門的になり、フーリエ変換などを用いた波形処理、モデリングツールである Simulink の使い方、MATLAB を用いたプログラミングまでサポートしている。初心者から MATLAB を使って研究データの解析をしたい人まで、幅広く使える良書である。

神経科学・イメージングの分野では、3 次元、4 次元の行列を扱うことが必要になってくるが、そのあたりのサポートはあまりない。どちらかというと工学系向けという印象だ。

MATLAB プログラミング入門

古い本ではあるが、行列とグラフィックスで約 250 ページが使われており、MATLAB の基礎を重点的に勉強したい 場合に有用な本である。

また、MATLAB プログラミングの基本となる if、for loop、関数 m ファイルなどについても、初歩的な記述がある。

基本的に自習を目的とした本のようで、「まず 1 章を、できれば実際にコンピューター上で実行しながら、ざっと目を通す」「次に、2-7 章を気の向くままトライ」「最後に 8 章で実際のデータ解析に挑戦」という流れを追えば、MATLAB の雰囲気がつかめるような構成になっている。

Linux カーネル超入門

Linux kernel についての初級者向け解説書。第 1 章「カーネルとは何か」では、カーネルの定義が与えられずに、カーネルの役割がアホみたいな漫画とともにいきなり羅列される。15 ページほど進むと、ようやく「Linux カーネルは、OS の核となる基本的かつ重要なソフトウェアです」という文章が出てくる。この導入はものすごくストレスがたまる。

1 章 Part I はかくのごとく酷いが、後半になるにつれて役立つ情報が出てくるようになる。Ubuntu 14.04 を例としているので少し情報が古いが、Linux がどのように動作しているのかを知るためには貴重な本である。コマンドの解説書ではなく、プロセス、メモリー管理などについての本。

いちばんやさしい PHP の教本

タイトルで「いちばんやさしい」と言っているだけあって php の独習に最適 な本だと思う。2015 年の比較的新しい本で、最新のアップデートまではカバーしていないものの、基本的なことは全て載っている。

テキストエディタのインストール、html 文法についても基本の解説があるのが助かる。これを読めば html と php を使ったウェブサイトが作れるようになり、さらに入力フォームの作り方、データベース MySQL との連携まで一通りできるようになるだろう。

実例は、ブラウザを利用した料理レシピアプリ。データの入力、表示、変更などの基本性能が全てあるので、他のプログラムを組むときにも応用しやすい。


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