所得税の仕組み

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このページの最終更新日: 2024/12/15

  1. 概要: 所得税とは
  2. 累進課税の仕組み
  3. アフィリエイトの税金
  4. 確定申告で収入を会社に隠す方法

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概要: 所得税とは

所得は以下のように分類されている ()。

  1. 利子所得
  2. 配当所得
  3. 不動産所得
  4. 事業所得
  5. 給与所得
  6. 退職所得
  7. 山林所得
  8. 譲渡所得
  9. 一時所得
  10. 雑所得

所得から、所得控除額を引いた額を課税所得という。この額に対して、所得税が計算されることになる。

日本の所得税は、以下に述べる累進課税制度をとっている。

累進課税の仕組み

日本の所得税は、累進課税 progressive taxation 制度をとっている。これは課税対象となる金額が上がるほど、税率も上がるという仕組み。図 (Public domain) に課税所得ごとの税率が示されている (2024 年現在)。

日本の累進課税制度 課税所得と税率

ただし、この図には追加説明が必要である。累進課税には、以下の 2 種類がある。

単純累進課税

課税所得が一定値を超えたら、その全てに対して高い税率が適用される。

たとえば、課税所得 330 万の人は税率 10% なので、払う所得税は 33 万円。ところが、課税所得が 331 万円になると税率が 20% になり、66.2 万円もの所得税を払うことになる。

これはかなり理不尽であり、働いて所得を増やすモチベーションが損なわれる。

超過累進課税

日本はこちらの制度をとっている。これは、課税標準額が一定以上になった場合、超えた金額に対してのみ高い税率を適用する制度である。

課税所得が 196 万円の人は、195 万円までは税率 5%、1 万円分だけが税率 10% と計算される。

超過累進課税を適用するために、以下のように控除額が定められている。

課税所得

所得税率

控除額

195 万円まで

5%

0 円

330 万円まで

10%

9 万 7500 円

695 万円まで

20%

42 万 7500 円

900 万円まで

23%

63 万 6000 円

1800 万円まで

33%

153 万 6000 円

4000 万円まで

40%

279 万 6000 円

4000 万円以上

45%

479 万 6000 円


控除額は、以下のように計算される。

  • 課税所得 300 万円の場合、単に税率 10% で計算すると、所得税は 30 万円になる。
  • ところが、300 万のうち 195 万は税率 5% でいい。上の計算ではこれに対しても 10% を払ってしまっているので、これは払い過ぎである。
  • 戻ってくる分は、税率の差分 (10% - 5%) に、一つ下の区分の 195 万円をかけた額、つまり (10% - 5%) × 195 万 = 9 万 7500 円。
  • この額が控除として設定されている。

もう一つ上のレベルも見てみよう。

  • 課税所得 600 万円の場合、税率 20% である。
  • しかし 330 万円までは 10% であるため、その差分が戻ってくる。(20% - 10%) × 330 万円 = 33 万円。
  • さらに、この「330 万円までは 10%」というのも実は取りすぎである。なぜなら、そのうちの 195 万円については税率が 5% だから。この分の控除は、上で計算した通り 9 万 7500 円。
  • したがって、課税所得 600 万円の場合の控除額は、33 万円 + 9 万 7500 円 = 42 万 7500 円となる。

つまり、あるランクの控除額は

一つ下のランクとの税率の差分 × 一つ下のランクの課税所得額 + 一つ下のランクの控除額

として計算されることになる。

課税所得が 900 万円を超えると、税率が 23% から 33% に跳ね上がる。これはこの表でみられる一番大きなジャンプであり、なんとなく 900 万円から高所得者のように捉えられている感じがする。

年収 1000 万の人は、日本の給与所得者の約 5% ()。


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References

  1. 累進課税とは|仕組みや税率、控除制度などをわかりやすく解説. Link: Last access 2024/04/14.
  2. 年収1000万円を超える人は、日本にどれくらいいる? Link: Last access 2024/05/10.

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