尿素:
哺乳類における窒素代謝の最終産物、タンパク質変性剤

reagents/u/urea
2017/11/19 更新

  1. 概要: 尿素とは
  2. 代謝産物としての尿素
  3. 試薬としての尿素

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概要: 尿素とは

尿素 urea は図 (Ref 2) のような構造をもつ化学物質である。ヒトの尿に含まれる。窒素代謝において重要な分子であるとともに、タンパク質を変性させる作用があるため、化学実験にも使われる。


> 尿素の基本的な物理化学的性状は以下のとおり (1)。
  • 無色の柱状晶で、融点 135°C。アルコールと水にはよく溶けるが、エーテルにはほとんど溶けない。
  • 弱塩基性で、酸と反応して付加化合物の縁を作る。
  • 静かに熱すればビウレットと アンモニア に、急熱すればシアヌル酸とアンモニアに分解される。

尿素は、無機化合物のみから合成された初めての有機化合物である。合成は 1828 年で、この時代は生物のみが有機化合物を作れると考えられていた。


代謝産物としての尿素

尿素の生化学的に重要なポイントは以下の通り。

  • アミノ酸のアミノ基 (-NH2) は、代謝されると有害な アンモニア NH3 を生じる。哺乳類では、アンモニアは 二酸化炭素 を用いて毒性の低い尿素に変換され、尿として排出される。
  • この代謝経路は尿素回路 urea cycle といい、肝臓の ミトコンドリア に存在する。

鶏卵のページ に、尿素でゆで卵が固まらないようにした実験の結果を載せました。


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試薬としての尿素

尿素は核酸 nucleic acid やタンパク質 protein を変性させる作用があり、以下のような実験によく使われる。

  • 変性ポリアクリルアミドゲルでの RNA の電気泳動 (3)
  • Inclusion body からのタンパク質の回収には、0.5 - 5 M urea が用いられる。
  • DNA 抽出 に使われる TNES 緩衝液 には、8 M などの高濃度で尿素が使われることがある。

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References

  1. Amazon link: 岩波 理化学辞典 第5版: 使っているのは 4 版ですが 5 版を紹介しています。
  2. By NEUROtiker - 投稿者自身による作品, パブリック・ドメイン, Link
  3. Green and Sambrook, 2012a. Molecular cloning: A laboratory manual, 4th edition. Cold Spring Harbor Laboratory Press.