G タンパク質: シグナル伝達における役割

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3-22-2017 updated

  1. 概要: G タンパク質とは
  2. Heterotrimeric G protein とその下流シグナル
    • cAMP 産生に至る経路
    • Ca2+ の産生に至る経路
    • シグナルの終了
  3. Ras G protein とその下流シグナル

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概要: G タンパク質とは

G タンパク質とは、GTP を GDP に変換するタンパク質で、多くのシグナル伝達経路の構成因子である。大きく以下の 2 種類に分けることができる。

  1. Heterotrimeric G protein
  2. Ras superfamily G protein

Heterotrimeric G protein とその下流シグナル

非活性化状態では、G タンパク質は GDP と結合している (1)。このとき G protein は α, β, γ サブユニットから成るヘテロ 3 量体である。図は cAMP 産生に至る経路である (2)。

α サブユニット GαP-loop NTPase family に属する。様々な G-protein-coupled receptor (GPCR) と結合した状態で、細胞膜近傍に位置している。

受容体にリガンドが結合すると、構造変化によって GDP が離れ、GTP が結合する。

一つの GPCR は、リガンドの結合によって複数の G protein を活性化する (1)。シグナル伝達の特徴の一つ、シグナルの増強 である。

Heterotrimeric G protein の下流には、大きく分けて以下の 2 通りの経路が存在する。

  • Adenylyl cyclase - cAMP - PKA
  • PLC - IP3 and Ca2+ - PKC

cAMP 産生に至る経路

GTP−bound form α サブユニットは β, γ ダイマー (Gβγ) から遊離し、アデニル酸シクラーゼ adenylate cyclase と結合し活性化する。この α サブユニットを GαS という (1)。アデニル酸シクラーゼは ATP からの cAMP 産生を促進する。cAMP は PKA を活性化し、PKA は転写因子 CREB をリン酸化 (活性化) する (1)。

副腎皮質ホルモン、エピネフリンのシグナルはこの経路を活性化し、血糖値の上昇などをもたらす。恐怖への応答、興奮状態を誘導する。メカニズムは PKA によるグリコーゲンホスホリラーゼの活性化と、グリコーゲン分解である。


Ca2+ の産生に至る経路

アンギオテンシン II の受容体は、GαS でなく Gαq を活性化する (1)。Gαqphospholipase C を活性化する。Phospholipase C は PIP2 から IP3 とジアシルグリセロール DAG という 2 つの second messenger を作り出す。

IP3 はカルシウムチャネルに作用し、細胞内 Ca2+ 濃度を上げる (1)。Ca2+ と DAG への結合が Protein kinase C (PKC) を活性化する。

PKC の下流には、NFκB や Raf/MEK/MAPK のカスケードがある。生理作用としては細胞分裂が有名である。


シグナルの終了

以上の反応は second のオーダーで起こる (1)。Gα は GTPase 活性をもっており、GTP を GDP + Pi に加水分解することで再び不活性型となる。この反応は sec - min オーダーと遅いため、シグナルを一定量伝えた後に起こる。


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References

  1. Berg et al. Biochemistry: 使っているのは 6 版ですが 7 版を紹介しています。
  2. By Takanori Nakane - This file is made from File:Activation protein kinase C.svg on wikimedia commons, CC 表示-継承 3.0, Link
  3. 水島 (訳) 2015a. イラストレイテッド細胞分子生物学.