喫煙: Smoking

other_topics/smoking/smoking
5-5-2017 updated


  1. 精神疾患と喫煙
    • 統合失調症


広告

精神病と喫煙

統合失調症

統合失調症の患者は喫煙率が極めて高いことが知られている。70% 以上がニコチン中毒であるという報告もある (2I)。これは他の精神病における喫煙率よりも高い (1I)。

この喫煙率の高さは以下の 3 つの観点から考察することができ (1),とくに 3 番目の点から 喫煙と統合失調症には共通した遺伝的バックグラウンドがある と考えられている。ちなみに,飲酒および大麻 cannabis の使用リスクも統合失調症患者で高いが,双子を使った研究などから,これらの遺伝的背景はこ異なると考えられている (4)。


1. 統合失調症患者にとっては禁煙が難しい。

2. Late onset: 発症後に喫煙を始める。

ニコチンが陰性症状 negative symptom を軽減させるため,自己治療の一種であるとする説もある (1I)。この考え方は self-medication model としてアルコールや麻薬の使用にも一般化されている。統合失調症の治療薬による影響もあるかもしれない。


3. Early onset: 発症前に喫煙を始める率が高い (3)

Nicotinic transmission に異常があることが知られており,これとの関係が指摘されている (3)。統合失調症患者へのインタビューから,発症前の喫煙率も高いとした報告 (4R)。

この論文には手法的に recall bias がかかっているとして,改善した手法で同じ結論を導いた論文もある (3R)。


うつ病 Depression

うつ病の患者も喫煙率が高いが,互いに因果関係はないと考えられている (1I)。つまり,うつ病は喫煙の原因でなく,また喫煙はうつ病の原因でない。統合失調症の場合と同様に,両者は共通の遺伝的バックグラウンドをもっており,何らかの要因が喫煙率とうつ病の発症率を同時に上昇させている可能性が高い。


広告

コメント欄

コメントをどうぞ! (500 字まで)


References

  1. de Leon 1996a. Smoking and vulnerability for schizophrenia. Schizophr Bull 22, 405-409.
  2. Margolese et al. 2004a. Drug and alcohol use among patients with schizophrenia and related psychoses: levels and consequences. Schizophr Bull 67, 157-166.
  3. Weiser et al. 2004a. Higher rates of cigarette smoking in male adolescents before the onset of schizophrenia: A historical-prospective cohort study. Am J Psychiatry 161, 1219-1223.
  4. Kelly et al. 1999a. Smoking habits, current symptoms, and premorbid characteristics of schizophrenic patients in Nithsdale, Scotland. Am J Psychiatry 156, 1751-1757.
  5. Krystal et al. 2006a. The vulnerability to alcohol and substance abuse in individuals diagnosed with schizophrenia. Neurotox Res 10, 235-252.
  6. 分煙では無くて完全禁煙にすると飲食店は儲かるの研究論文キター! Link.

Amazon books