統合失調症の診断

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6-18-2017 updated

  1. 予防の重要性と早期診断の指標
    • 認知能力の低下
    • 喫煙、飲酒、薬物の乱用

  2. 統合失調症の診断 (早期診断・予防以外)
    • PANSS (陽性・陰性症状評価尺度)

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予防の重要性と早期診断の指標

統合失調症は、思春期から青春期にかけて発症することが多い。これは、この時期に診断によって正式に「統合失調症である」と認められるということである。しかし、診断の前から統合失調症の兆候がみられることも多く、これを指標にして発症前のリスクを評価し、予防的な治療を試みることが望まれている。

統合失調症の患者は 約 5% が自殺する というデータもあり (1)、自殺の多くは発症直後にみられる。これも早期診断が重要な理由の一つである。

以下、発症前から現れる症状ごとにまとめる。多くは統合失調症患者やその周辺の人々 (親、教師など) に対する聞き取りからのデータである。


認知能力の低下

認知能力の低さと、統合失調症のリスクが相関することを示した報告は複数ある。

> Working memory, visual learning が低いとするメタアナリシス (2)。
  • 精神病のリスクの高い集団を追跡調査し、発症した人としなかった人を比較している。95 の報告を調べたメタ・アナリシスである。
  • CHR-C (clinical high-risk converter, 結果的に発症した人), CHR-NC (non-converter, しなかった人)。
  • いくつかの行動試験のうち、CHR-C は working memory task, visual learning で成績が悪かった。これらの試験の結果から、発症のリスクを見積もることが可能であろうという結論。

喫煙、飲酒、薬物の乱用

統合失調症患者における 喫煙者、アルコール依存症患者、薬物使用者などの割合は健常者に比べて著しく高い。ただし、因果関係がまだはっきりしていない という問題がある。

注目すべき仮説の一つが self-medication hypothesis で、とくに喫煙との関連で強調される仮説である。タバコに含まれるニコチン、アルコール などが統合失調症の症状を軽減させるため、結果としてこれらを使う率が高くなるという考え方。

> 精神疾患と大麻の使用には、両方向の因果関係があるという論文もある (3)。

画像診断 - 脳の異常

> Lateral ventricle の肥大は出生前から観察され、出生後サイズと相関する (4)。
  • 脳室 ventricle の肥大は、統合失調症でみられる典型的な異常の一つである。これを指標にリスクを評価できるかもしれない。

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統合失調症の診断 (早期診断・予防以外)

MRI などの画像診断も研究レベルでは積極的に取り入れられているが、統合失調症の診断は依然として行動異常を指標にしたものである。

DSM

DSM はアメリカ精神医学会による診断基準である。Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorder の略。

PANSS

PANSS とは Positive and Negative Syndrome Scale の略で、Kay ら (1991) によって作成された評価尺度である。30 項目で構成されており、その内訳は陽性尺度 7 項目、陰性尺度 7 項目、それに総合精神病理尺度 16 項目からなっている。

PANSS スコアを用いて薬の効果を検証した論文 (4)。
  • Haloperidol, olanzapine, quetiapine, risperidone, zuclopenthixol, Mood stabilizers, benzodiazepines, anticholinergics を 8 週間投与している。
  • さらに contrast hypersensitivity も改善したが、higher-level motion processingは変わらず。
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References

  1. Palmer et al. 2005a. The lifetime risk of suicide in schizophrenia. Arc Gen Psychiatry 62, 247-253.
  2. De Herdt et al. 2013a. Neurocognition in clinical high risk young adults who did or did not convert to a first schizophrenic psychosis: a meta-analysis. Schizophr Res 149, 48-55.
  3. Griffith-Lendering et al. 2012a. Cannabis use and vulnerability for psychosis in early adolescence - a TRAILS study. Addiction 108, 733-740.
  4. Gilmore et al. 2008a. Prenatal mild ventriculomegaly predicts abnormal development of the neonatal brain. Biol Psychiatry 64, 1069-1076.