コアプロモーター: 転写に必要な基本転写因子群が結合する領域

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2018/10/03 更新


ページのタイトルは「コアプロモーター」であるが、プロモーター全体に関する説明もこのページに載せておく。

  1. 概要: プロモーターとは
  2. 原核生物のコアプロモーター
  3. 真核生物のコアプロモーター

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概要: プロモーターとは

各遺伝子または遺伝子群 (オペロン operon) の一端にあり、転写 transcription を開始するために RNA ポリメラーゼが特異的に結合する DNA 上の領域を プロモーター promoterという (1)。

図 (ref 4) は 原核生物 のラクトースオペロンの模式図である。プロモーターは 3 番にあたり、そこには黄色で示した基本転写因子 (1 番) が結合している。


転写に必ず必要な基本転写因子群が結合するプロモーター領域を、とくに コアプロモーター という。遺伝子の転写量は、環境条件に応じて活性化されたり抑制されたりするが、このような調節を担うのがエンハンサー enhancer である。エンハンサーもプロモーターの一部であり、これらの用語の使用にはやや混乱があるように思う。

プロモーターの位置は、mRNA として転写される最初の塩基に +1 という番号をつけ、そこから 5' 上流 (参考: 核酸 nucleic acid) 方向に 10 塩基だったら -10 といった形で、負の数字で表す。Promoter 領域の配列は mRNA として転写されない ことに注意しよう。


プロモーター解析

「プロモーター解析」と言った場合、「プロモーターが存在する 5' 上流域の解析」を意味し、実際には転写量を調節したりするエンハンサー enhancer が興味の中心となる。


原核生物のコアプロモーター

原核生物では -10 に TATAAT という consensus 配列をもつ Pribnow box があり、-35 には -35 region と呼ばれる TTGACA という配列が存在する。これらがコアプロモーターである (3)。


真核生物のコアプロモーター

真核生物では -25 に TATAAA という consensus 配列をもつ TATA box がある。Hogness box とも呼ばれる。-75 には CAAT box という GGNCAATCT 配列が存在する場合がある。これらがコアプロモーターである (3)。

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References

  1. Amazon link: 岩波 理化学辞典 第5版: 使っているのは 4 版ですが 5 版を紹介しています。
  2. Danino et al. 2015a (Review). The core promoter: At the heart of gene expression. Biochim Biophys Acta - Gene Regulatory Mechanisms 1849, 1116–1131.
  3. Amazon link: ストライヤー生化学: 使っているのは英語の 6 版ですが、日本語の 7 版を紹介しています。参考書のページ にレビューがあります。
  4. By T A RAJU - Own work, CC BY-SA 3.0, Link