パーキンソン病: 病態、原因、治療など

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2018/04/01 更新

  1. 概要: パーキンソン病とは
  2. パーキンソン病の原因
    • レビー小体
  3. パーキンソン病の治療

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概要: パーキンソン病とは

パーキンソン病 Parkinson disease は、以下の 4 つの症状を特徴とする運動疾患である (2)。

運動緩徐
Bradykinesia
運動がゆっくりになること。
無動
Akinesia
随意運動の開始ができなくなること。
筋固縮
Rigidity
筋肉の緊張が亢進すること (2)。抵抗のためにガクガクと断続的な動きになる。
振戦
Tremor
安静時に顕著になる規則的なふるえのこと。

資料によっては運動緩徐を無動に含め、体のバランスをとれなくなる姿勢反射障害を主症状としているものもある (3)。

また、以下のような副症状が認められる。

  • 自律神経症状 autonomic symptoms: 便秘 astriction、頻尿 frequent urination など (3)。
  • 精神症状 psychological symptoms: うつ depression、痴呆 dementia など (3)。

パーキンソン病の原因

パーキンソン病では、脳内のドーパミン作動性ニューロンが徐々に変性し、最終的には死滅する (2)。黒質 substantial nigra から線条体に入力するニューロンである。Nigro-striatal pathway にあたる。詳細は ドーパミン のページを参照のこと。

線条体は大脳基底核が情報の入力を受ける部位である。ほぼ全ての大脳皮質から入力を受けており、運動野 motor cortex と大脳基底核の情報交換は運動制御に重要である (4)。このほか、大脳基底核から辺縁系 limbic system や脳幹 brainstem への投射も運動制御に関わっている。したがって、ドーパミンが適切に供給されずに、大脳基底核が正常に機能しなくなると、運動障害が現れる。これがパーキンソン病である。

なぜ黒質から線条体へ投射するニューロンが変性するのかは明らかでないが、以下のようなものが risk factor として報告されている (4)。

  • 年齢 advanced age
  • 性別 sex: 男性の方が女性よりもかかりやすい。
  • 農業に従事 agricultural work: ドーパミンの放出を抑制する作用のある農薬など。
  • 頭部への物理的ダメージ

レビー小体 Lewy body

神経が変性した部位で観察される封入体 (写真, 5)。茶色の部分の下にある同心円上の部分がレビー小体である。


パーキンソン病の治療

一般的に、行動異常に関する治療は存在するが、神経の分解を防ぐ有効な治療法は存在しないというのが現状である (1)。

行動異常に対する治療

線条体に黒質から放出されるドーパミンの濃度を増大させる治療が知られている。これはドーパの投与によってなされる (2)。ドーパは血液脳関門 BBB を通過でき、生存しているニューロン内でのドーパミンの合成を促進する。

行動異常に対する治療

ドーパの投与では、ニューロンの変性を抑えることができない (2)。そこで、ドーパミンを産生できる細胞の移植が試みられている。未だ実験段階であるが、将来効果的な治療法の一つになる可能性がある。

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References

  1. Postuma & Berg 2016a (Review). Advances in markers of prodromal Parkinson disease. Nat Rev Neurol 12, 622-634.
  2. Amazon link: ベアーズら, 2007. 神経科学 ― 脳の探求.
  3. パーキンソン病. Pdf file.
  4. Parkinson's disease risk factors. Link.
  5. By Dr. Andreas Becker upload here Penarc - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link

参考図書