ホルモンの基礎: 定義、分類、構造など

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2017/12/03 更新

  1. ホルモンの定義
    • ホルモンの特徴
  2. ホルモンの分類
    • ホルモンの種類による分類
    • 作用機序 (下流シグナル) による分類

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ホルモンの定義

Oxford Dictionary of Biology (Amazon; Ref 1) では、ホルモンは

A substance that is synthesized in one organ and transported by the circulatory system to act on another tissue.

内分泌腺または神経細胞から血液中にごく少量分泌され、離れた場所にある標的細胞または標的組織において、成長や特定の機能を制御する物質。


と定義されている。英語の発音は [hɔːmoun] であり、カタカナ発音とかなり違っているので注意する。

ただし、これはクラシックな定義であり、現在では血液系を介さずにパラクライン paracrine やオートクライン autocrine で働く物質もホルモンに含まれる (2)。また、ドーパミン などの神経伝達物質 neurotransmitter もその合成、作用機序においてホルモンに極めて近い。


ホルモンの特徴

ホルモンは神経系とともに個体レベルの代謝を制御する重要なシステムである。一般に、以下のような特徴がある。

第一は 特異性 である (2)。ホルモンの多くは血液 blood 中に存在するため、多くの細胞がホルモンに晒される。しかし、ホルモンは特定の細胞にのみ作用し、さらに細胞ごとに異なる作用を示す。これは 受容体 およびその下流で働く遺伝子が細胞ごとに異なっているためである。

第二の特徴は 低濃度で働く こと (2)。ホルモンの血中濃度は、一般に 10-15 から 10-9 M (fM to nM) の単位で、これは他の物質の濃度 (通常 10-6 から 10-3 , µM to mM) に比べるとはるかに低い。これは、ホルモンの作用が一般に シグナル伝達 signal transduction によって増幅されるためである。


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ホルモンの分類

ホルモンがどのような物質かによって、以下の表のように分類される。また、下流のシグナル伝達機構にもいくつかのパターンがあり、これによっても分類される。


リガンドによる分類

大きな違いは、ホルモンが脂溶性か水溶性かという点である。脂溶性のホルモンは 細胞膜 を通過できるので、細胞内に受容体がある (2)。水溶性のホルモンは、細胞膜に埋め込まれた受容体と結合する。


種類

グループ I

グループ II

特徴

脂溶性の分子がリガンドになる。受容体は主に細胞質に存在する。血液中では transport protein に結合している (2)。

水溶性の分子がリガンドになる。受容体は細胞膜に埋め込まれている。

ステロイド、iodothyronine, calcitriol, レチノイド。

ペプチド、タンパク質ホルモン (インスリン など)、カテコールアミン

受容体

核レセプター などの細胞内受容体。

膜受容体 (細胞膜に存在する)。


下流のシグナル伝達による分類

ハーパー生化学 (Amazon link) に例がたくさん載っているが、このサイトにページがあるものを中心に取り上げる。


1. 細胞内受容体に結合するもの

  1. アンドロゲン
  2. エストロゲン
  3. 甲状腺ホルモン: T3, T4

2. 細胞膜の受容体に結合するもの

2-1. cAMP をセカンドメッセンジャーとするもの

  1. グルカゴン
  2. α2-Adrenergic catecholamines
  3. ソマトスタチン
  4. バソプレッシン

2-2. cGMP をセカンドメッセンジャーとするもの

  1. 一酸化窒素: NO

2-3. カルシウム and/or IP3 をセカンドメッセンジャーとするもの

  1. アンギオテンシン
  2. PDGF

2-4. リン酸化シグナルを伝えるもの

  1. インスリン
  2. レプチン
  3. 成長ホルモン
  4. プロラクチン
  5. FGF

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References

  1. Amazon link: Hine (2015). Oxford Dictionary of Biology.
  2. Amazon link: ハーパー生化学 30版.