魚の摂取量と健康に関する研究のまとめ

food_science/seafood/fish_intake_health
2018/03/25 更新


  1. 魚の摂取と健康に関する研究
    • 冠動脈性心疾患
    • Maternal fish intake の研究

  2. ω-3 脂肪酸の摂取と健康に関する研究

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魚の摂取と健康に関する研究

シーフードの摂取頻度や摂取量と健康については、基本的にどのような病気についても 相関する/しないの両方の報告がある。矛盾した結果が得られるのはとくに不思議ではない。たとえば、比較的研究が進んでいる冠動脈性心疾患の場合では、sudden death の定義、end point の違い、fish intake の推定方法、study populations の違いなどが原因として指摘されている (2)。

以下、病気ごとにシーフードの摂取が健康に良いとする報告、関係ないとする報告という観点からまとめる。


冠動脈性心疾患

冠動脈性心疾患 coronary heart disease (CHD) は、シーフード摂取の影響がよく研究されている疾患である。CHD リスクは、血液 blood のパラメーターから評価されることが多いようである。

肥満 obesity も CHD リスクとしてこの項目に含めている。


シーフードが健康に良いとする報告

> Kris-Etherton et al. によるレビューの内容のメモ。相関するという報告 (2)。
  • 週に一度以上魚を食べる人は CHD のリスクが低いという疫学調査が 3 つ挙げられている。
  • Chicago Western Electric Study - 30 年の follow up study, Daviglus et al., 1997.

> 日本とブラジルに住む日本人の比較調査、魚食と CVD のリスク (3)。
  • 移民を使った調査は、遺伝的背景を揃えられるので環境要因の影響を調べるのに有効である。
  • 433 人の島根・沖縄の人と、主にそこからブラジルに移住した 269 人。沖縄は日本の中で最も長寿の県。
  • 血圧、尿検査、血液、心電図検査、食生活のアンケートを実施。
  • 血中リン脂質中の PUFA 量、コレステロール量、魚の摂取量などに差がみられ、魚食が CVD risk を減らすことを示唆する結論。

> 血液中の PUFA 量および赤血球中のメチル水銀量と CHD のリスクが逆相関 (4)。
  • PUFA 量は採血前一週間、メチル水銀量は数ヶ月間の魚食量の指標になる。

シーフード摂取と相関しないとする報告

しばしば問題とされるのがシーフードに含まれる メチル水銀 の有毒性である。メチル水銀は、CHD のリスクを上げるという報告がある (4I)。


> Kris-Etherton et al. によるレビューの内容のメモ (2)。
  • 相関しないという報告も、4 つ引用されている。

Salonen et al. 1995 では、fish intake, hair Hg, urine Hg と CHD に高い相関が認められている (5)。


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Maternal fish intake の研究

子供への影響を調べた論文も多い。これにも positive/negative 両方の報告があるが、全体としては「ほどよく食べるのが良い」という結論と思われる。

この項目は、以下のようなページとも関係する。


> 子供の肥満を促進するという報告 (6)。
  • 1996 - 2011, ヨーロッパとアメリカ。26,184 pregnant women, 6 年のフォローアップ。
  • 妊娠中、週に 3 回以上魚を食べている女性では、幼児の BMI と成長率が高かった。女児の方が、男児よりもよく相関。
  • 妊娠中の fish intake は rapid growth in infant, childhood obesity のリスクを高めるという結論。

> 子供の肥満を抑制するという報告 (7)。
  • 週に 1 回以上魚を食べている女性では、幼児の BMI が低かった。
  • 1996-1997 年に生まれた Ducth children, 14 歳までの調査。

ω-3 脂肪酸の摂取と健康に関する研究

> Kris-Etherton et al. によるレビューの内容のメモ (2)。
  • 4 g/日の ω-3 脂肪酸摂取で、血中トリアシルグリセロールが 25-30% 低下。Harris et al. 1997.
  • Morris et al. 1993 Meta-analysis: 血圧降下作用が検出されている。

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References

  1. ページ編集に伴い削除.
  2. Kris-Etherton et al. 2002a (Review). Fish consumption, fish oil, omega-3 fatty acids, and cardiovascular disease. Circulation 106, 2747-2757.
  3. Mizushima et al. 1997a. Fish intake and cardiovascular risk among middle-aged Japanese in Japan and Brazil. J Cardiovasc Risk 4, 191-199.
  4. Hallgren et al. 2001a. Markers of high fish intake are associated with decreased risk of a first myocardial infarction. Br J Nutr, 86, 397-404.
  5. Salonen et al. 1995a. Intake of mercury from fish, lipid peroxidation, and the risk of myocardial infarction and coronary, cardiovascular, and any death in eastern Finnish men. Circulation 91, 645–655.
  6. Stratakis et al. 2016a. Fish intake in pregnancy and child growth: A pooled analysis of 15 European and US birth cohorts. JAMA Pediatr 170, 381-390.
  7. van den Berg et al. 2016a. Maternal fish consumption during pregnancy and BMI in children from birth up to age 14 years: the PIAMA cohort study. Eur J Nutr 55, 799-808.

参考図書