組織染色実験の概要

experiments/tissue_staining/staining_overview
2018/03/15 更新


  1. 組織染色実験の概要
  2. さまざまなタイプの染色
    • 免疫染色
    • In situ ハイブリダイゼーション
  3. 組織の固定

広告

組織染色実験の概要


さまざまなタイプの染色

免疫染色

抗体 antibody を用いて、目的とする タンパク質 を染色する方法を 免疫染色 immunostaining という。組織の固定に際して、主に以下の 3 点に留意する (1)。

  1. 目的タンパク質の抗原性の保持(抗体に結合できる状態が保たれているかどうか)
  2. 目的タンパク質の発現部位の保持(他の場所に移動していないかどうか)
  3. 組織の形態の保持

組織の固定法によって、以下のような違いがみられる (1)。

  1. 未固定凍結: 抗原性がよく保持されるが、形態の保持が悪い。
  2. 固定凍結: 抗原性、形態ともによく保持される。
  3. パラフィン: 形態保持に優れるが、抗原性の保持が悪い。パラフィン切片に使用可能な抗体を選んで使う。標本は常温で保存が可能である。

 

アルデヒド系で固定すると、低分子の不溶化や形態保持に優れるが、タンパク質やペプチドの抗原保持に難点がある。

有機溶剤は脱水作用があり、これで固定すると組織が収縮してしまう可能性がある。高分子の抗原保持に優れる。


広告

組織の固定

組織の固定方法は、もちろん染色の種類によって異なるが、一般的には次の 3 通りである (1)。

 

  1. 未固定凍結: 未固定のまま OCT コンパウンドに包埋して凍結切片を作る。
  2. 固定凍結: 試薬で組織を固定したのち OCT コンパウンドに包埋し、凍結切片を作る。
  3. パラフィン: 試薬で組織を固定したのち パラフィン包埋し、切片を作る。

形態の保持はパラフィン切片が優れているが、煩雑であったり脂質染色に使えなかったりと、それぞれ一長一短がある。組織の固定には、以下のような試薬が使われる。大きく分けてアルデヒド系と有機溶剤系がある (1)。

アルデヒド系

  • パラホルムアルデヒド Paraformaldehyde, PFA
  • グルタルアルデヒド Glutaraldehyde
広告

コメント欄

フォーラムを作ったので、各ページにあるコメント欄のうち、コメントがついていないものは順次消していきます。今後はフォーラムをご利用下さい。管理人に直接質問したい場合は、下のバナーからブログへ移動してコメントをお願いします。


References

  1. 蓮井 2012a. 免疫組織化学の基礎と応用. V. 組織・細胞の固定. 鹿児島大学レポジトリ. Link.