大学・研究所内での死亡事故

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このページの最終更新日: 2024/02/14

  1. 概要: 死亡事故の一覧
    • 日本での事故
    • 海外での事故

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概要: 死亡事故の一覧

死亡にまで至る事例は比較的珍しい。感電、爆発が死亡要因として多いようである。

日本での事故

場所・年・文献 被害者 概要
大阪大学
基礎工学部
1991 年
(文献 1)
学生 2 名

爆発性のガスであるシラン Si のボンベに、並列に繋がれていた亜酸化窒素が逆流し、ボンベ内に高圧の混合ガスができて爆発した。逆止弁の劣化による。

教訓・対策: 逆止弁の劣化防止、パージラインの独立化。

  • 失敗知識データベース. Pdf file.
北海道大学
工学部
1992 年
(文献 1)
助手 1 名
学生 1 名

低温実験室に、貴重な氷の試料が保管されていた。冷却装置の故障でこれが溶けてしまうのを防ごうと、密閉された室内で液体窒素 liquid nitrogen を使っていたため窒息死。


教訓・対策: 液体窒素使用時の換気。エレベーターで液体窒素のタンクを運搬するときは 無人で運搬する のが原則である。エレベーターに乗せる人と、目的階で受け取る人の 2 人が必要となる。

千葉大学
工学部
1994 年
(文献 1)
学生 1 名

東京農工大の大学院生が、実験で使っていた高電圧装置に誤って触れたために感電死。装置の扱いには精通しており、過失と考えられている。


教訓・対策: 「緊張感を維持せよ」と言うのは簡単だが、具体的な対策は難しいか。装置の改善?

岐阜大学
工学部
1999 年
(文献 1)
学生 1 名

実験で使っていた高電圧装置に誤って触れたために感電死。高電圧部位にはカバーがつけられていたが、近道をしようと人が入らないと想定されていた領域に入り、高電圧部位に触れてしまった。


教訓・対策: 学生の行動も原因であるが、「想定外」を想定してカバーをつけていれば防げた事故である。

海外での事故

場所・年・文献 被害者 概要

UCLA
2008 年(文献 2–4)

研究員 1 名

カリフォルニア大学ロサンゼルス校・アメリカでの事故。研究員が 20 mL の t-BuLi をシリンジで吸い取っていたところ、プランジャーが抜けて溶液を浴びた。溶液は自然発火し、研究員は火傷のため死亡した。研究員は白衣を着ておらず、合成繊維のセーターを着ていた。

教訓・対策: 白衣の着用、消火具の準備、Hood の使用

服が発火した場合は、直ちに非常用シャワーを使う。服を脱ごうとしたり、その他の手段で消火しようとしてはいけない。

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References

  1. 大学における実験・実習中の死亡事故. Link.
  2. 実験テクニックのまとめ作ろうぜ @化学板 Wiki. Link.
  3. Chem Station. t-ブチルリチウムの発火事故で学生が死亡. Link.
  4. UCLA 研究員死亡事故・その後. Link.

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