アミノ酸の炭素番号の付け方、規則など

aa_carbo_lipid/aa/carbon_numbering
2018/07/25 更新


  1. 概要: アミノ酸の炭素番号
  2. 芳香族以外の直鎖状アミノ酸
  3. プロリン
  4. 芳香族アミノ酸
  5. ヒスチジン

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概要: アミノ酸の炭素番号

アミノ酸の炭素番号は、上記の目次にあるように直鎖状アミノ酸、プロリン、芳香族アミノ酸およびヒスチジンについて 独自のルールがある

このページの内容は IUPAC による論文 (1) に基づいている。IUPAC 有機化合物の命名法 には、命名法の一般的事項がまとめられている。

なお、「炭素番号の付け方」は英語では carbon numbering であり、carbon numbers というと分子に含まれる炭素数になってしまうので気をつける。

アミノ酸の構造には炭素番号が含まれてないものが多いが、これはアップデート予定。とりあえずテキストで説明。


芳香族以外の直鎖状アミノ酸

芳香族以外の直鎖状アミノ酸は、以下のようなルールに基づいて炭素番号がつけられる。

  • 直鎖状アミノ酸の炭素番号は、アミノ基をもつ炭素 (α-アミノ酸ならばα炭素) に結合したカルボキシル基の炭素を 1 とする。そこから一番長い方向へ向けて 2、3・・と番号をつけていく。
  • 直鎖状 C2 に相当する炭素を α 炭素とする。α を用いた命名は推奨しないが、αアミノ酸または α 炭素という言葉は許容される。
  • バリン、ロイシンなど側鎖が分岐鎖しているものは、3'、4'、5' のように番号をつける。

アラニン

バリン


プロリン

プロリン の番号の付け方は、ちょっと納得がいかないものがある。Pyrrolidine でのナンバリングに準拠しているようだが (1)、窒素が 1 番になり、カルボキシル基側の CH の炭素が 2 番になる。そこから、環で 5 番までをカウントし、カルボキシル基の炭素には番号がついていない。




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芳香族アミノ酸

チロシンフェニルアラニン では、芳香環の中の炭素で、CH2 と結合しているものを 1 番とする。

そこから芳香環の炭素が 1 から 6 番。芳香環に結合している CH2 が β、その先の C が α で、-COOH には番号は付けられていない。図ではチロシンのみ炭素番号を表示した。


チロシン

フェニルアラニン


トリプトファン の場合は、さらに複雑だ。

環の中にある窒素が 1 番で、そこから側鎖に近い方へ向けて 2, 3, 3a, 4, 5, 6, 7, 7a となる。3a と 7a が 2 つの環の結合部になる。



ヒスチジン

ヒスチジン では、イミダゾール環にある 2 つの窒素のうち、-CH2 に近いものが π、遠いものが τ となる。それらの間に挟まれる炭素が 2、-CH2 に結合している炭素が 4、残りの一つの炭素が 5 番。

直鎖状部分の炭素は、環に近い方が β、その次が α。COOH の炭素には番号は付けられていない。

なお、イミダゾール環の窒素原子は共鳴しているので、π が NH になっている状態と τ が NH になっている状態が混在している。これはヒスチジンのページで解説している。




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References

  1. IUPAC-IUB Joint Commission on Biochemical Nomenclature, 1984a. Nomenclature and Symbolism for Amino Acids and Peptides. Eur. J. Biochem. 138. 9-37. Link: Last access 2018/07/25.