NMR によるアラニンの検出

aa_carbo_lipid/aa/ala_nmr
3-23-2017 updated

  1. アラニンの 1H NMR
  2. アラニンの 13C NMR

広告

アラニンの 1H NMR

アラニン には 3 つの化学的に異なるプロトンがあるが、COOH の H は生理的 pH で電離して COO- となっているため、2CH の H および 3CH3 の 3 つの H が NMR で検出されることになる。

アラニンの構造式

1H NMRでは、メチル基の H が 1.46 ppm にダブレットで非常に見やすいピークとして現れる (以下の表を参照、文献 1,2)。


Group Shift in H2O (ppm) Shift in D2O (ppm) Multiplicity J (Hz) Ref
2CH 3.7746 3.7680 Quartet 7.234 1
3CH3 1.4667 1.4655 Doublet -14.366 1

下の図は、ラット rat の脳抽出物の 1H-NMR spectrum である。乳酸のメチル基のピークと、その近くに Ala のピークが見える。

乳酸とアラニンは CH3-CH-COO- という骨格の CH に、OH がついているか、NH2 がついているかというだけの違いである。これが、両者のピークが近い位置に現れる理由である。

乳酸、アラニンのピーク
広告

アラニンの 13C NMR

13C NMR では、176.5 ppm 前後に Ala-C1 のピークが認められる (3)。

下の図は上から PEPCK ノックアウトマウス、飢餓状態のマウス、給餌されたマウスに 13C で標識したピルビン酸を注射し、肝臓抽出物を 13 NMR にかけたものであり、飢餓状態ではピルビン酸から合成される Ala 量が低下することがわかる。



コメント欄

フォーラムを作ったので、各ページにあるコメント欄のうち、コメントがついていないものは順次消していきます。今後はフォーラムをご利用下さい。管理人に直接質問したい場合は、下のバナーからブログへ移動してコメントをお願いします。


References

  1. Govindaraju et al. 2000a.Proton NMR chemical shifts and coupling constants for brain metabolites. NMR Biomed 13, 129-153.
  2. Amazon link: de Graaf 2007a (Book). In vivo NMR spectroscopy 2nd ed. John Wiley & Sons, Ltd. 参考書のページ に書評があります。
  3. Merritt et al. 2011a. Flux through hepatic pyruvate carboxylase and phosphophenolpyruvate carboxykinase detected by hyperpolarized 13C magnetic resonance. PNAS 108, 19084-19089.